大手投資銀行の通貨予測モデル「第三弾」、金利平価説について解説。ファンダメンタルズ分析において金利の動向は、目が離せないほど重要な内容。金利にだけ注目しているトレーダーも多いため、ここだけは確実に学ぶことを推奨する。
前回の「購買力平価説」をまだ読んでいない人は、こちらから読んで欲しい。
金利とは
金利は、預金や貸付に対する利子のこと。例えば、銀行に100万円預金をしており、1年後に預金額が101万円になっていれば、100万円に対して1万円増えているため、金利は年利1%となる。
預金しているだけで、金利が1%発生する国の通貨よりも、預金しているだけで金利が3%発生する国の通貨の方が得をすることになる。
そのため、金利の利上げニュースがあると、その国の通貨は買われやすくなる。
金利平価説
金利平価説は、二国間の通貨に金利さがあれば、無リスクな裁定が働かないように、その金利差は未来の為替レートのプレミアムまたは、ディスカウントされる分として価格反映されると言う考え方に基づいている。
事例
米国金利3%/日本金利1%
この場合だと、無リスク裁定が働かないようにするためには、ドルは円に対して2%以上下落しなければならないと言うこと。為替先物レートは、当日時点で先わたし取引レートに反映される。この場合、円の先渡取引はスポット取引よりも少ない。結果として、ドルの先渡取引レートはディスカウントされると言われている。これは、逆に捉えれば円にプレミアがついていることになる。
先物取引(Future Contract)及び先渡取引(Forward Contract)とは、将来のあらかじめ定められた期日に、特定の商品を現時点で決めた価格で売買する契約を指す。
取引が取引所で行われ、差金決済による決済が行われる場合には、先物取引と呼ばれる。一方、取引が店頭で行われ、現物決済による決済が行われる場合には、先渡取引と呼ばれる。
参考:みずほ証券
金利平価説では、利上げ等を行い高金利通貨になる場合、資本流入を誘発し通貨価値は上昇する傾向にある。逆に、利下げ・低金利・金利が低下傾向の通貨に関しては、緩やかな資本流出を誘発し、通貨価値を下落させる傾向にある